優先順位を意識するメリット
- 価値のないものしがみつくことで新しい可能性を妨げることを防止する
- 自分にとって本当に大切なものを守る力をつけてくれる
大切なことは当たり前すぎて、つい意識できなくなってしまちがちです。
優先順位をつけられない→自分にとって、人生にとって何を大切にすべきかわからない→価値のないものにしがみつく、という負のスパイラルを生みます。
どこに価値を置くかを意識するようにすれば、優先順位は簡単につけられる
例えば、世間の常識や批判が怖いから、自分の意志を曲げる、という行動は、勇気がないというよりも、自分の意志よりも周囲の人の意見のほうが大切(優先)している状態であるだけです。
多くの人が優先順位をつけられないのは自主的に判断する能力を集団管理教育によって抑圧されてきたから、という理由もあると感じます。
優先順位がつけられずに起きた悲劇
優先順位がつけられなかった故に起きた悲劇の例をご紹介します。
ある中学生の女子生徒(A子さん)がクラスの特定の女子グループに、陰湿ないじめ行為を繰り返し受けていました。
そのいじめグループは女子生徒(A子さん)の家にも何度も電話をかけてきては、悪口、脅しを繰り返していたそうです。
A子さんの母親はそのような電話があるのを知っていながらも、娘に取り次いでいました。
ある時、いじめグループの女子生徒たちが、A子さんの家に押し掛けてきて、A子さんの母親の前でA子さんを責めたてました。
通常ならここで母親が押し掛けてきた女子生徒を追い返す所ですが、その母親は逆にいじめグループの話に耳を傾け、「嘘をついたならあんたが悪い。謝りなさい」と娘にいい放ったそうです。
A子さんは自分の家の玄関で、母親の前で、いじめグループの女子生徒達に対し、土下座をさせられました。
その日の夜、A子さんは自室で首をつり自殺をしてしまいました。
この話は本当にあった話ですが、自殺という最悪の展開に至った一番の原因は、母親が優先順位をつけられなかったこと、が原因だと感じます。
優先順位をつけられない人は大切なものを守れない
母親も娘を愛していないわけじゃなかった。でも、娘の立場や娘の気持ちよりも、周囲の意見や世間体を優先したのです。
A子さんにとって唯一信頼したい、味方でいて欲しい家族に裏切られたというショックは相当なもので、立ち直れない程のダメージを与えてしまったのです。
自分にとって、本当に大切なものが何か、意識しないままでいるとこういう悲惨的な事件にも発展してしまう可能性があります。
心身症、うつ病は自分に対して不誠実であるサイン
鬱病、心身症などの問題の根は、自分にとって大切なものをないがしろにした結果、抵抗感や恨みがましい気持ちが溢れ出し(ストレス)、健全な心身のバランスを破壊してしまうことにより起こるのだと感じます。
ドラマ「人間・失格」は学べることが多い
昔、人間・失格というドラマがありました。(kinki kidsの出ていたドラマです)
あのドラマでは、主人公(堂本剛)が転校した進学校で、いじめられていた生徒をかばったために、陰湿ないじめのターゲットにされてしまいます。
成績優秀で正義感の強い主人公は父親の期待に答えようと、葛藤しながらも再び学校へ戻る決意をします。
お父さん、僕行くわ。
学校行く。
店すぐに畳んだら、また借金残るやろ。
お父さん現役の時よく言ってたやん。デットボールの後こそ内角を待つんやって。
僕も逃げんと行くわ。
お父さんの息子やから。
学校行くわ。引用:人間・失格
しかし、戻った先の学校でも再び陰湿ないじめは止まらず、結局命を落としてしまいます。
息子を亡くした父親(赤井英和)のセリフがすごく印象に残っています。亡き息子の勉強ノートを火で燃やしながらこう叫びます。
学校なんか、どこでもよかったんや
勉強なんかどうでもよかったんや手術の痕を見たんや・・・体中、包帯だらけで・・・血がいっぱいついてて、痛いんや
あいつは苦しいんや
あいつが生まれた時もそうやった
五体満足やったらそれで良かったのに
俺はあいつを、殴ってまで学校なんかに・・
最低や、最低の父親や・・!!引用:人間・失格
本当に優先すべきだったのは、自分の常識や周囲の評価に合わせて、なにがなんでも学校へ行かせることではなく、息子の身を守ることだったのだ、と気づいたのです。
そして成績や能力よりも何よりも、息子がただいてくれること、存在してくれることが一番大切な価値だったのだと気づいたわけです。
人間・失格は他にもいじめについてルソーの社会契約論などの例を詩的に、わかりやすく引用されています。
古いドラマですが、見ていない方はぜひオススメします。イジメ以外に人間社会の抱える色々な問題の闇や本質が鋭く描かれています。
外に優しくても、内には冷たい人
外面がよくて気のきく優しい人、が家では家族を殴り、罵っている、ということも珍しいことではありません。外を優先するあまり、疲れてしまい、より身近な存在をないがしろにするのです。
こういう人は失ってからでないと、何が大切だったのかわからないのでしょう。
私たちも生きている中で、他人の考え、世間の常識や刷り込み、という観念に捕らわれてしまい、つい自分にとって大切にしたいことは何なのか、優先順位を見誤ってしまうことがあります。
こういう悲劇的なケースを勉強材料にさせていただくのは有効だと感じます。
少なくとも一カ月に一度は、自分にとって大切なことは何か、一番の目的は何か?を認識しなおす時間をとることが、軸のズレを防止するために重要になるのではないでしょうか。
1ヶ月に一度位は何もしない日を作り、普段いる場所から離れて、一人の時間を持つことは、とても価値があると感じます。
まとめ
私もまだまだ、優先順位がわからなくなり、大切なものや大切な人をないがしろにしてしまう時があります。
失ってから後悔しないよう、時々意識してみるようにしたいと考えています(´ω`)